日蓮宗長唱山大立寺
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コラム


平成23年度3月作成(毎月1個更新目標!!)

○「祈り」について

■はじめに

平成23年3月11日、東日本一帯に大きな被害をもたらす大地震が起こりました。

震災並びに二次的な被害により亡くなられた多くの方々の菩提を弔うとともに、被災された方々の一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

震災から三週間あまり経ち、被害の全体像が少しずつ分かってきました。しかし、時々刻々と状況は変化し、問題が新たな問題を生み、その影響は計り知れません。政治・経済は混沌とし、我々の日常生活は、被害のなかった地域でさえ、今後、大きく変わらざるを得ないと思えます。

そのような非常時にコラムなどを書いている時間があるのかと、何か被災者・被災地のためにできることはないのかと自分自身に問いながら、ただただ日々の生活に追われ心苦しい次第ですが、せめて一僧侶としてみな様の行動に示唆することはできるのではないかと思い、このコラムを書いています。

これまでこのホームページでは日蓮宗の教義的なことには触れてきませんでした。身近なところから仏教に親しんでもらいたいと考えていたからです。

しかし、今まさに(今更かもしれませんが)、「宗教」という「ヒトの考えと行動の在り方を説き示すもの」を説明しなければならない時だと思います。

「仏教」、「法華経」、「日蓮宗」は、「ヒトはどのように考え、どのように生きていかなければならないか」をどのように説いているのかを説明しなければならないと思います。

このような大きなテーマを少しの文章で説明するには無理がありますが、出典なり解説は機会をあらためるとして、今回は極簡単に説明します。



■「教え」について

「仏教」はお釈迦様が説かれたお説法集。

その中で、晩年説かれたのが「妙法蓮華経(法華経)」。

その「妙法蓮華経(法華経)」が最も大切だと総合判断され、弘められたのが日蓮聖人。


「仏教」はみなが「成仏=仏に成る」することを最大の目標とする。

「成仏」とは「みなが互いに共に幸せに生きることができるよう常々活きること」(各言葉の定義については触れません。)

この「妙法蓮華経(法華経)」はその実践的な方法を示す。

その実践的な方法は「菩薩行」。
「菩薩行」とは「忘己利他=自分のことを考慮に入れず、他のために行動する」の行と「自利=利他行を忘れず行えるよう常々自らを省みる」の行。

一方で「妙法蓮華経(法華経)」は「世界の捉え方」を示す。

「世界の捉え方」とは「諸法実相(しょほうじっそう)」。かなり要約すると「ありとあらゆる物事は、ありとあらゆる変化を刻々と起こすけれども、それで当たり前だ。」ということ。


つまり、
「どのようなことが起こっても、それを冷静に受け止め、いかなる時も、他のために行動し、それを継続してできるよう努め、互いが互いに助け合う社会、共同体を構築していく。」ということを説いています。

「利他行」は現在、もっとも忘れがちです。目先の損得を考え、まずは自分、自分となってしまっています。少し考えれば、損得という面でも、このように活きる方が大きな得をすると分かるはずなのですが。

今、被災者にこの教えを説くことは酷かもしれないけれど、「釈迦に説法」かもしれないけれど、あえてこの「教え」を送りたいと思います。この「教え」が実践できて、この危機を乗り越えられないはずがない。この実践は、未来を見据え、前向きに生きるエネルギーを必ず与えてくれると、信じています。南無妙法蓮華経。



■「祈り」について

これだけだと、あたかも「被災者だけで頑張れ」と言っているようですが、そうではありません。 みなでこの危機に臨むのです。

物作りをされている方は、その物を被災地に送ります。
医療に携わっている方は、行って傷ついた被災者を救います。

何かしてあげたいけど何もできないと思っている方にも、何かできることはないのか。
そういう方でも、「祈り」を捧げ、被災者に安心を与えることができるのです。

現在、「祈り」というと、自分の願いをかなえることに必死になりがちです。
本来、「祈り」も、上述のように他のためにするものです。

今後、一番恐ろしいことは、この震災を忘れることです。
決して他人事と思い忘れることなく、「祈り」を捧げ、他を思い、「他と共にある」という気持ちを送り続けるのです。この「祈り」は誰にでもできます。

真摯な「祈り」は、良い「縁」を生み、やがて「大きな円」となり、広く全体に広がっていくはずです。

この「教え」の実践として、今回の震災では被災者にならなかった側も、他のために行動しなくてはなりません。 真摯に祈る者には、自ずと自分にできることが見えてきて、買い占めや無駄遣いといった行動を自ずと控えていくことでしょう。そして、積極的にこの危機に臨み、被災者と共にみなで乗り越えていくのです。

そういう私が、情けなくもまだまだ大きく動けずにいますが、せめて「祈り」は捧げ続け、できることから少しだけでも協力していきたいと思っております。南無妙法蓮華経。


※今回のコラムは、気持ちが先行してしまいました。色々語弊があるか もしれません…。
※教義については、今後私自身もさらに勉強しながら、少しずつ丁寧に 説明していきたいと思っております。



○日蓮宗について

○お坊さんの呼び方

○お線香のあげ方

○お数珠について①

○お数珠について②

○お数珠について③

○御札の祀り方

○金封(のし袋)について

○「祈り」について

○花の供養について

○お灯明について

○お経本のご紹介

○大立寺のお盆①

○大立寺のお盆②

○「お膳」について

○塔婆について

○木魚と木鉦

○お仏壇について①

○お仏壇について②

○お墓について①

○お墓について②

○布施について

○お経とは

○インド仏跡参拝紀行文(1)

○インド仏跡参拝紀行文(2)

○インド仏跡参拝紀行文(3)

○インド仏跡参拝紀行文(4)

○インド仏跡参拝紀行文(5)

○インド仏跡参拝紀行文(6)

○インド仏跡参拝紀行文(7)

○インド仏跡参拝紀行文(8)

○インド仏跡参拝紀行文(9)

○インド仏跡参拝の旅 
 まとめ動画 


○東日本大震災第三回忌に臨んで(前編)

○東日本大震災第三回忌に臨んで(後編)
  
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