平成22年度11月作成(毎月1個更新目標!!)
○お数珠について②
今回は、お数珠の持ち方について説明していきます。「お数珠について①」を読まれてない方は、先にそちらをお読み下さい。
ここでは、日蓮宗のお数珠の持ち方についての説明をします。
他宗のお数珠の持ち方については次のコラムで説明します。
○2種類の持ち方
日蓮宗には、2種類の持ち方があります。
①左手に二重にして掛ける持ち方
この持ち方が通常の持ち方です。お経をお唱えする時や、普段お数珠を手にしている時はこのように持ちます。また、「②数珠をあやにする持ち方」にする機会が分からない時は、この持ち方をして下されば結構です。
上の写真のように、長いお数珠を二重にして、左手の四指の方に掛けます。親指の方には掛けません。母珠(お数珠について①参照)が輪の下に来るようにし、房は下に垂らします。
左手に掛けるというのは、前回のコラムでも触れたように、お数珠は「身を清める清浄具」でもあるからです。というのは、仏教では、右手=清浄、左手=不浄と考えられているからです。これは、仏教がインドで始まったことに関係があります。インドでは、今でもご飯や握手など、綺麗に扱う物事には右手が使われています。不浄な左手をお数珠で清めるという意味もありますので、お数珠は左手に掛けて下さい。
下の写真のように合掌をする時は、左手に二重にして掛けた状態で、右手を添えるだけです。合掌したからといって両手に掛け替える必要はありません。
また、お数珠を掛けた状態で、両手を使って物を運ぶ時などは、便宜、左手首に掛けて下されば結構です。
②数珠をあやにする持ち方
この持ち方は主に祈願(お祈り)する時の持ち方です。法要の中では、「勧請(法要をしている場所にお釈迦様や日蓮聖人、多くの神様が現れて下さいとお願いすること←少し語弊があるかもしれません。一言では説明しにくいです。)」「唱題(お題目「「南無妙法蓮華経」をお唱えすること)」「回向(お経やお題目をお唱えした功徳を他に巡らせて全てのものが成仏しますようにとお祈りすること←こちらも一言では説明しにくいです)」などのお祈りをする場面でこの持ち方に替えます。また、寺院へ初詣でに行かれる時などはこの持ち方をしてお参りして下さい。
なぜ祈願(お祈り)の時にはこの持ち方にするのかですが、次のように説明されることがあります。
「2本の房の方には、小さな一つの「輪(○)」がある(お数珠について①参照)。お数珠を「一度交差」することで、「十」ができる。この「輪(○)」と「十」を合わせると「叶」という漢字になる。この持ち方をして合掌したその手の中には「叶」という字が込められる。祈願(お祈り)は「叶(かな)いますように」と気持ちを込めてするものだから、この持ち方にするのだよ。」と。仏典などの根拠ははっきりしておりませんが、この説明は
どのような時にこの持ち方をするのかが、よく分かる説明だと思っております。
上の写真のように、両手の「中指の第一関節」に母珠を掛けて、輪を真ん中で「一度交差」させ、そのまま合掌します。一度交差するので、「数珠をあやにする」といいます。
この時、房が2本ある方を右手に、3本ある方を左手に掛けます。これにもまた、先ほどの右手=清浄、左手=不浄が関係しています。3本ある方の一本は、「数取珠(お数珠について①参照)」で、まさにお題目を数える道具の部分になりますので、俗な物と捉えられ左手に掛けるのです。しかし、理屈はこういうことですが、なかなかどっちが2本で3本でというのは覚えにくいものです。そこで、「みぎ」は2文字だから「2本」、「ひだり」は3文字だから「3本」と覚えて頂くと覚えやすいと思います。ちなみに、母珠を「第一関節」の辺りに掛けるのは、中指の付け根辺りに掛けて持つよりも、見た目が綺麗だからです。
○まとめ
1.お数珠は左手に掛ける。
2.あやにする時は、「みぎ=2本」、「ひだり=3本」、「1回ひねる」。
(注1)次回は、「お数珠について③」としまして「他宗のお数珠の持ち方」について説明します。
(注2)一応調べて書いておりますが、万一問題等ありましたら連絡して頂ければ幸いです。
※参考にさせていただいた本です。
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○日蓮宗について
○お坊さんの呼び方
○お線香のあげ方
○お数珠について①
○お数珠について②
○お数珠について③
○御札の祀り方
○金封(のし袋)について
○「祈り」について
○花の供養について
○お灯明について
○お経本のご紹介
○大立寺のお盆①
○大立寺のお盆②
○「お膳」について
○塔婆について
○木魚と木鉦
○お仏壇について①
○お仏壇について②
○お墓について①
○お墓について②
○布施について
○お経とは
○インド仏跡参拝紀行文(1)
○インド仏跡参拝紀行文(2)
○インド仏跡参拝紀行文(3)
○インド仏跡参拝紀行文(4)
○インド仏跡参拝紀行文(5)
○インド仏跡参拝紀行文(6)
○インド仏跡参拝紀行文(7)
○インド仏跡参拝紀行文(8)
○インド仏跡参拝紀行文(9)
○インド仏跡参拝の旅
まとめ動画
○東日本大震災第三回忌に臨んで(前編)
○東日本大震災第三回忌に臨んで(後編)
長唱山大立寺(だいりゅうじ)
〒607-8008 京都市山科区安朱東海道町56 詳しくはこちら